物語のないMONO-語り

中学生の海外生活の日々を描く

コロナ、ロックダウン前のイギリス:学校、友達がかかった?、街中、、、恐怖と感心

”ロックダウン” 3週間目くらいのイギリス。晴れの日が続いていて窓の外からの風景だけを見ていると平和でコロナウィルスは悪夢だったのではないかと思ってしまうくらいです。でも”外”の世界では医療関係の方たちが自分の命を危険にさらしながらも精いっぱい私たちを守ろうとしてくれていたり、保育士さんたちやスーパーで働く方たちなどが怖い中私たちをサポートしてくれていたり、、、

日本も緊急事態宣言が出されましたが、今回はずっと書こうと思っていたロックダウン以前のロンドンの学校や街の様子をシェアしたいなと思っています。

 

学校ー日に日に人数が減っていく恐怖

イギリスは他の国に比べて”すべての”学校を閉鎖するのが遅いほうでした。でも親が心配する気持ちは同じで閉鎖の二週間ほど前から徐々に人数は減っていっていました。学校のほうから親などが肺や心臓に問題のある生徒は登校しないように、と言われていたからというのもあると思います。最初のほうは気にならないほどの減りだったのですが一週間前になると教室がいつもより大きく感じるくらいでした。

毎日毎日人数は減っていき、二日前には私の”ハウス”(ハリーポッターのグリフィンドールとかがあるように)では四人のみが登校しました。学校の雰囲気も異様で、先生とすれ違うたびに言われるのは ”Wash your hands" , 手を洗ってください、で 授業が終わると先生たちはみんな ”Stay safe" と真剣な面持ち、、、

クラスメイトが学校がこの規模で閉まるのは第二次世界大戦以来だ、といっていたのを聞き、なんだか恐怖と別のなんだかよくわからない感情が入り混じった不思議な気持ちになりました。世界各国で行われている医療関係者に拍手を送るという行動は人の関係と優しさを感じられて、感謝と団結を表すのにとても良いと思うのですが、クラスメイトのこの話を聞いてからそれがどこか兵士をばんざーい、と送り出す様子と重なってしまいました。

学校は普段、安全な場所、という感覚だったのですがこのときはもうだれが感染しているか分からない、という状況で正直友達のことも信用できませんでした。

 

状況をさらに実感させた出来事

そんな中、下校でバスに乗らないといけなくてたいして寒くもないのにマフラーを巻きながらバスに乗った時のことです。

急にクラスメイトからチャットでメッセージがきて見てみると ”私コロナかも。今日一緒にいた子ごめんねー” と書いてありました。その子は昼頃から体調不良を訴えていて、少し私も疑いながらもあからさまに離れることはできず、ご飯を隣に座って食べていました。最初は いや、悪い冗談でしょ、と思いました。そんなに早く発症するものなの、、、? その子いわく彼女の音楽の先生からうつされた可能性があり、その先生の教え子はみんな体調が悪いとのこと。それでもまだ疑い深い私は”いや、うそでしょ? 面白くない冗談だよ。” 返答。すると帰ってきた答えは”90% 本当。ごめん~でも大丈夫だよ。若いし。” でした。その瞬間私の中で何かが破裂して、、、学校でも全く面白くない、不快なコロナについての冗談を言ってくる人たちがいて嫌だな、と少しイラっとしていたところにこの本当かウソかもわからないほど軽ーいメッセージだったので。もし彼女が本当にかかっていて私にうつってしまっていたとしたら私は今すぐバスを降りるべき、、、

それまでもコロナの重大性は分かっていてもそこまで恐怖を感じていなかったのがその瞬間、彼女への怒りが恐怖に変わり、視点がまた変わりました。

結論を言うと彼女はかかっていなかったのですがこの出来事が私の考え方をガラッと変えてくれました。あっ、こういうことなんだ。誰でもかかってる可能性がある、自分もかかっている可能性がある。いい意味で疑心暗鬼になって本当に気を付けないといけないんだ、と実感しました。その時、バスを見回してみるとさっきまで意外と普通な雰囲気だなーと思っていたのが間違えだったのに気が付きました。家族以外はだれも隣どうしに座っていなく、いつもを見かけないマスク姿の人たちやスカーフを鼻と口の周りにぐるぐる巻きにしているひと、プラスチック手袋をはめている人まで!(これは賢いと思いました。飛沫感染より、ウイルスが付着しているものを触った手で顔を触ったことによっての感染のほうが多いとか。)とにかく私にさらに危機感を与えてくれた彼女には感謝です。

 

学校の対応

学校では密集を避けるため、いろいろな新しいシステムやルールが導入されていました。

  • 学年によって登校時間をずらす
  • 学年によって登校、下校するとき使う出入口を変える
  • お手洗いには蛇口を閉めるとき手で触らないようにティッシュが置かれるように
  • 他の学校の生徒と下校時間が重なって混雑した電車などに乗らなくていいように学校が終わる時間を十分早める
  • 今まであったパンのセルフサービスをやめる

などです。学校という密集を防ぐのが難しい場所で細かいことでもこういう工夫をしていたのはそれだけで少し前よりは安心しました。

 

スーパーの様子

パニック買いが問題になっていた時はスーパーなどが九時から十一時など時間を決め、その時間は高齢者などのための時間というシステムを導入していました。

また、スーパーに入る人数制限などをしていて三十分くらいならばないといけませんでした。並ぶときは二メートル間隔にテープがはられていてそこに間隔をあけて並ぶ、という感じでした。入れるのは一家族から一人のみと決められていて私は入れませんでした。

また、大手オンラインスーパーなどは常連の人が優先されて注文できるようにしたり、閉店の要請で仕事をなくした人たちに配達の手伝いを頼むなどしていてすごいな、と思いました。

近所でも高齢の方のために代わりに買い出しに行きますよ、と手紙が回っていてこういう状況だからこそ助け合う精神が大切だなと改めて思いました。

 

ニュースや先生たちに言われたことー正しい知識
  • コロナウイルスが体内にいても感染しない場合がある。でも他の人にそのウイルスを映してしまう可能性はあるから常に気を付ける。
  • 感染の疑いがあっても高齢者やunderlying health issue(持病) がなくて症状が軽い場合は自宅療養で病院にはいかない
  • 一週間しても症状が改善しない場合は電話で相談する。
  • 顔を触らないようにする
  • 手を洗う
まとめ

長い記事になってしまいましたが最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

この状況の中、外で働いてくださっている方々に感謝、そして一緒に頑張りましょう!