物語のないMONO-語り

中学生の海外生活の日々を描く

VE day London-感動、、、ロックダウン中だからこそ繋がれる

一昨日、五月八日は75th VE(Victory in Europe) day でした。第二次世界大戦でドイツが降伏し、ヨーロッパで勝利した日です。その後も八月まで日本との戦いは続き、たくさんの命が失われたのですが、この日はイギリスやフランスにとってとても大切な日で、盛大に祝われます。いつもならパレードやイベント、パーティーなどが催されるらしいのですが今のコロナの現状では当然すべてキャンセル。この75という区切りの数でみんなで集まって失われた命をしのび、勝利を祝うことができないというのはみんな、特に戦争で戦った方々にとっては悔しく、悲しいことだったと思います。75年前は勝利とヨーロッパでの終戦を祝っていたのに今はウイルスとの戦いがまだ終わっていません。でもだからこそ今まで以上に戦時中の人の気持ちや、「当たり前」の大切さを実感できるのではないか、ある意味75という節目の数を迎えるにあたってたくさんの犠牲を払いながら戦争が私たちに残してくれたメッセージを実感を持って受け取れるのではないか、と思います。

 

今と昔を繋ぐ音楽

戦時中にイギリスで国民に好かれ、歌われてきた”We'll meet again”という歌があるのですがその歌詞が今のコロナの世界の状況と重なる部分があるということでVE dayに国中で歌われる、という事でした。↓歌詞と私なりの日本語への訳(直訳ではありません)

We'll meet again, (いつか会えるわ)

Don't know where,(どこかで)

Don't know when (いつか)

But I know we'll meet again some sunny day(青空の下でまた会えるって知ってるから)

Keep smiling through,(笑顔を忘れないで)

Just like you always do (いつものあなたのように)

'Til the blue skies drive the dark clouds far away(青空がこの暗い雲を追い払うまで)

 

So will you please say "Hello"(だからハローって言って)

To the folks that I know (私の知っている仲間たちに)

Tell them I won't be long (長くはならないって教えておいて)

They'll be happy to know (彼らはきっと喜ぶわ)

That as you saw me go (私が行きながら)

I was singing this song (この歌を歌ってたってね)

 

とても素敵な歌詞で今の私たちの心に響く歌ですが曲の題名でもあるWe'll meet again というフレーズはエリザベス女王のコロナについての国民へのスピーチにも使われました。

 

テレビで

BBC1 で75周年のプログラムをやっていて、九時にはエリザベス女王のスピーチも放映されました。もともと九時にみんな自分の家の、ドアの前でWe'll meet again を歌おう、というう、という呼びかけがあったのですがエリザベス女王のスピーチも同時刻でそれもみたい、、、とタイミングがつかめず結局私のエリアは誰も外に出て歌っていませんでした。でも住民がみんな同時刻に自分と同じものを見ていると思うと同じ空間を共有しているような、そんな気持ちになりました。

スピーチの後はWe'll meet again がテレビで流れました。NHSの方々や、スーパーや薬局などで働いている方々、消防隊員、armyの方々などが歌っている映像で最近笑いのツボも涙のツボ?も浅くなってきている私は感動して泣きそうになってしまいました。人と会うことができず、家で不安とともに暮らしている私たち、自分の命を危険にさらしながらも最前線で戦い、私たちをサポートしてくださっている医療関係の方々やスーパーの店員さん、毎日不安と悲しみの多い今の世界ですが、この一つの曲を通じて勇気を与えあい、一瞬でも笑顔になれる。そんなことを思わせるような映像でした。

そして次に流れたのがBBCのキャスター達の映像。一人一人がそれぞれの担当しているエリアについて触れながらメッセージを言っていくというものでした。

”One day, we'll tell you there are no new cases."(新しい感染者数が0だと報告できる日が来ます。)

”One day, plans will be made and kept."(予定を組み、予定をキャンセルせず守ることができる日が来ます。)

”One day sport will return." (スポーツが再開される日が来ます)

といった感じで、、、

”but until then, stay safe and we will keep on providing you with all the reassurance and information you need. " (だからそれまで頑張ってください。私たちは皆さんが必要な安心と情報をお届けし続けます。)という風に終わりました。

離れているのに今まで以上に人との繋がりを感じられるってなんか不思議です。神様が何かのメッセージを伝えるために起こしたことだったのかな、とつい思ってしまいます。

 

道で

この日は天気が良かったので人を避けるよう気を付けながら散歩に出ました。最近本当に空気がきれいで、、、少なくとも自然は喜んでいるのかな、と。マイナスなことばかりではありませんね。

人こそいないものの、道は喜びに満ちていました。家々はイギリスの旗などで飾られ、家族が玄関の外で太陽を浴びながら笑っている。

そんな中、特に印象的で感動したことがありました。両親が買い物をしている間私は店の外で待っていたのですが、その時突然 "Have a nice day!!" と声をかけられました。驚いて顔をあげてみると可愛らしい女の子が車から顔を出しなら手を振っていました。思わず笑顔になり、”Thank you! You too!" と答えましたがその後も心があったかく、ハッピーな気持ちでした。見ているとその女の子はすれ違う人全員に笑顔で車の中からハッピーをふりまいていました。知らない人に声をかけるだけでも緊張することなのにそれを車の中から、、、彼女みたいに勇気と幸せにあふれた人になりたいな、と思いました。(勇気と優しさってまるでシンデレラみたい😀)

良い一日を、この一言で本当に一日がぱあっと明るくなるのですからやっぱり挨拶って大切だな、とその小さい女の子が思い出させてくれました。言葉は力を持っている。傷つけることも、喜ばすこともできる。自粛期間中で家族としかしゃべらないと忘れてしまいそうなことですが、今だからこそ言葉の力を思い出し、人との繋がりを大切にする。何かが無くなってからその大切さに気づくことって多いですよね。一生気づかないよりは少し遅くても気づいたほうが良いだろうな。いや、遅すぎるってことはきっとないんでしょうね。(なんか急に意味不明なこと語りだした人がいる笑)

 

まとめ

この新しい日常の中で日々発見や驚きがあり、人の温かさなどを感じることも多かったのですが、今回はVE day と重なった日のプチ幸せについて書いてみました。ネガティブなニュースが多い中小さいポジティブなことが埋もれがちかもしれませんがこんな時だからこそ毎日前向きに、小さな